1.再雇用されたら、給料が下がった
最近は定年退職といっても、すんなり引退して悠々自適な暮らし、とはいかなくなりました。
60歳から年金受給を始めると大幅に減額されてしまうため、多くの方は65歳まで仕事をするようになってきています。
今後は「60歳から年金をもらう」という選択肢そのものを選ぶことが許されなくなりますので、この傾向はさらに強くなっていくことは確実です。
さて、定年退職後にもっとも有利なのは「今までにいた会社に、再雇用してもらう」ことです。
会社としても、定年直後の人は年収がもっとも高い状態になっていることが多いですから、その給与を出し続けるのはきつくなっています。
しかし、その人が業界内で積み上げた経験や人脈は、会社にとっても代えがたいものです。
そうした人に対して「いったん定年退職して、その後再雇用した」ことにすれば、給与水準をおさえて雇い続けることができます。
再雇用制度については、「定年退職」をご参照ください。
このような構造からお分かりいただけるとおり、給与はガクンと下がってしまうのが普通です。
しかし、いきなり給与を下げられてしまうと、生活の維持が苦しくなってしまう人もいるでしょう。
そこで、雇用保険では減った分の給与を補填する給付金を設けています。
それが、「高年齢雇用継続給付金」と呼ばれる制度です。
支給条件は、60歳以降の再雇用で、給与が75%未満に低下してしまった場合です。
金額の計算は複雑なので、自分で計算しようとしてはいけません。
最寄りのハローワークで確認されるのが最も確実です。
この給付金は65歳まで受給することが可能ですが、受給には5年以上の雇用保険加入期間が必要です。
2.まとめ
・定年後、すんなり年金生活ができる労働環境ではなくなっている。
・定年した後、再雇用という形で継続して働くことが多くなっているが、給与が大幅に下がるのが普通。
・減った分の給与をカバーする形で用意されている給付金が、高年齢雇用継続給付金。
・受給するには、雇用保険へ一定期間の加入が必要なので条件を満たしているかどうかハローワークで確認するとよい。