1.失業保険は、手取りはいくらになりますか?
(2016年9月12日更新)
「失業保険の手取りは、
いくらぐらいになるのでしょうか?」
「失業保険の手取り金額の
計算方法を教えてください」
たまに、このような質問をいただくことがあります。
こういった質問に対する回答はシンプルです。
失業保険は、総額=手取額だからです。
つまり、失業保険からは、
税金も社会保険料も引かれません。
額面が、そのまま銀行口座に振り込まれます。
こういった質問をされる方は、
失業保険にも税金や社会保険料がかかるのでは?
と考えられているようです。
しかし、失業保険にはこうした
「給料から天引きされていた類いの控除」
は存在しません。
もちろん、税金や社会保険料は
別途請求されますので
払わなくていい、
という話ではありません。
失業保険を収入として請求される
税金や社会保険料は0円、
という意味です。
しかし、ひとつだけ、
失業保険が収入として扱われる分野があります。
それが
「扶養に入れるかどうか?」
の判断をする場合です。
ご存じだと思いますが、
扶養に入れるかどうかは、
収入が一定額以下である必要があります。
この収入の計算には、
失業保険が含まれます。
しかも、不思議なことに
1日あたりの失業保険額×365日(閏年366日)
で計算されます。
たとえもらえる日数が90日であってもです。
このため、
失業保険をもらっている期間は
扶養を外れざるを得ない人が
結構な割合で存在します。
具体的にいうと、
1日あたりの失業保険が3,600円程度を超えると
その期間は扶養の対象から外れなければなりません。
昔から、
「なんか変だなあ」
と思っているのですが、
あまり気づく方もおられないのか、
問題点として取り上げられることもなく続いています。
おかしいと思いますよね?
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2.2016年10月から出現「106万円の壁」
さて、2016年10月1日から、
「106万円以上の年収の方」
に社会保険への加入義務が
課されることになりました。
社会保険に加入するということは、
早い話が扶養に入れなくなる、ということです。
今までは130万円が境目でしたから、
扶養に入ることを最優先するなら、
年間24万円も仕事をセーブしなければならない、
という計算になります。
ただし、年収106万円以上だからといって、
即、社会保険に加入しなければならない、
という訳ではありません。
具体的にいうと、下記の条件の
「全てを満たして」
初めて社会保険への加入義務が発生します。
1.週20時間以上働いている
2.1年以上、勤務できる見込みである
3.従業員の数が501人以上の企業に勤めている
逆にいうと、これらの条件からひとつでも外れていれば、
年収106万円~年収130万円未満
の年収であっても、
扶養に入ったままでいられます。
例えば、年収が120万円の場合、
今までは扶養に入れますが、
2016年10月からは扶養から
外されるかも知れません。
しかし、勤めている企業の
従業員が300人であれば、
条件のひとつから外れることになり、
そのまま扶養範囲内で働き続ける
ことが認められます。
どうも、頭が混乱しそうなのですが、
簡単にまとめておくと、下記のようになります。
・年収106万円以上~130万円未満の人は、
扶養から外れる可能性が出てきた
・しかし、それには勤務期間や企業規模など、
他の条件もあるので必ず扶養から外れるわけではない
報道などを見ると、
「即、扶養から外れなければならない」
かのような印象を受けることもありますが、
それは誤解ですので注意しましょう。
そのまま扶養に入っていられるのに、
年収を106万円未満に調整しようとして
勤務時間を減らし、
結果として収入が減ってしまう・・・
というのはあまりにも馬鹿げています。
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