1.扶養家族は失業保険がもらえない?
会社を辞めた後、
健康保険料の節約や控除のために扶養に入る方がいます。
この場合、失業保険はもらえるのでしょうか?
答えは、「失業保険の1日あたりの金額による」です。
失業保険でもらうお金も、
「扶養に入るかどうか?」
を判定する収入として計算されるからです。
つまり、扶養の範囲内の失業保険なら
そのまま扶養に入ったままでいられます。
一方、失業保険の金額が扶養の範囲よりも多い場合は、
扶養から外れなければなりません。
あるいは、失業保険の受給をあきらめなければなりません。
「失業保険は1日5,000円。
90日しかもらないから、45万円。
これなら、扶養のままでいられますよね?」
残念ながら、この場合は
扶養から外れなければなりません。
なぜかというと、
失業保険の日額×365日
で収入を計算するからです。
失業保険は1年ももらえないのに理屈が通らない、
と考える方は多いと思いますが、
このような計算になってしまいます。
結果として、扶養に入ったまま
失業保険を受給できるラインは、
「失業保険の日額が3,600円弱」
になります。
フルタイムで仕事をされていた場合、
このラインは超えることが多いです。
つまり、失業保険をもらいながら
同時に扶養に入れる方というのは
非常に限られていると考えた方がよいです。
一方、自己都合退職で
3ヶ月の受給制限期間がついている場合。
この期間については、扶養に入っていても構いません。
受給制限期間は失業保険がもらえないのですから、
収入もない扱いになるからです。
受給制限期間まで扶養から外れると、
無用な出費が増えますので要注意です。
関連記事:
2.扶養と失業保険。具体的にどうするのさ?
1.では、扶養と失業保険の関係について、
同時受給がほぼできないことと、
その理由について書きました。
しかし、多くの人は、こうした
「法律がどうのこうの」
という話には興味がないと思います。
ということで、ここでは
「具体的に、どうするのか」
について見てきましょう。
(1)失業保険がもらえない期間
3ヶ月の受給制限期間は、
遠慮なく扶養に入って、
その恩恵を受けていただいて構いません。
これは、失業保険でもらえる予定の金額には
関係ありません。
いくら受給する予定であろうと、一律です。
(2)失業保険を受給している期間
ⅰ 失業保険の日額×365=130万円以上の場合
失業保険をもらいながら、
扶養に入ることはできない。
よって、失業保険受給中は、
扶養から外れなければならない
ⅱ 失業保険の日額×365=130万円未満の場合
失業保険をもらっていても、
年間所得が扶養の範囲に収まるため、
受給中も扶養に入ることが可能
(3)失業保険の受給日数が過ぎた後
失業保険をもらい終えた後は、
当然ですが扶養に入ることができます。
当たり前のように思えるかも知れませんが、
実はここで落とし穴があります。
失業保険をもらい終わった後、
再び扶養に入る手続きをしない人が多いのです。
ぽっかりと、
意識から抜け落ちてしまうみたいですね。
しかし、改めて扶養に入る手続きをしないと、
国民年金保険料や国民健康保険料の
請求が届いてしまいます。
届いてから
「いや、実は扶養に入ろうと思っていたんです」
と主張しても、
すでに発生した支払いは免除されません。
その後の支払いは
扶養に入ったことで減免されても、
扶養に入る前に発生した支払いは
減らないのが通常です。
このようなことで、
つまらない出費を増やすのはバカバカしいです。
忘れがちですが、
忘れると無駄な出費が発生してしまうことになります。