1.雇用保険料は、2013年度も1%で据え置き
(2016年9月17日更新)
失業保険をもらうために
納めなければならない雇用保険料。
給与明細を見ると毎月、
少額の雇用保険料が
天引きされていることに気づかれると思います。
この雇用保険料、
毎年改定されるのですが、
来年度は今年と同じ、
支給額の1%になることが
厚生労働省から発表されています。
「あれ?1%も雇用保険料引かれてませんけど?」
そう思われる方も多いでしょう。
その通りで、誰も給料の1%、
雇用保険料を納めているわけではありません。
この1%という雇用保険料は、
会社と労働者で折半して支払っているからです。
今回は0.5%ずつの負担になるようです。
つまり、給与の0.5%というのが、
あなたが支払う雇用保険料という計算になります。
給与が30万円なら、1,500円ですね。
ちなみにこの雇用保険料の1%という数値は、
実は最低ラインです。
厚生労働省は、雇用保険料の料率を
1.0%から1.8%の間
で決める権限を与えられています。
雇用保険の財政に余裕がなかったり
雇用情勢が悪化すれば雇用保険料率は高くなります。
つまり、1.8%に近づきます。
逆に雇用保険料の財政に余裕があったり、
失業者が少ない場合は雇用保険料は安くなります。
1%に近づいていくのですね。
「え?じゃあ1%ってことは
雇用保険料率の最低ラインですか」
そうです。
「雇用はいい状況なの?」
いえ。厚生労働省も雇用情勢は厳しい、
という見解です。
しかし、雇用保険の財政に余裕があり、
現時点では引き上げの必要性はないと
判断したとされています。
雇用保険の財政に余裕がある
というのが意外な感じがします。
失業保険をもらえるのにもらい損ねている人、
もらい損ねたことにすら気づいていない人が
大勢いることを知っている私としては、
「そういうこともあるのかな」
という感覚ではあります。
そういう人たちは、
雇用保険料だけをせっせと納め続け、
リターンは一切もらっていないわけですね。
知識がないだけで損をして、
しかもそのことに気づくことすらない、
という人たちは世の中に驚くほど多いです。
私もこうした情報発信をしてはいますが、
ごくごく少数の方に届けるのが精一杯ですね。
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2.2016年の雇用保険情勢
2016年も、雇用保険料の割合は最低レベル。
つまり、給料の1%に設定されています。
これを会社と労働者で折半しますから、
1.と同じく、あなたの負担は0.5%です。
2012年度では、
雇用情勢は悪かったにも関わらず、
雇用保険料は1%でした。
これは、雇用保険料の積立金が
非常に多く、
余裕があったからです。
では今年、2016年度はというと、
雇用情勢は悪くありません。
雇用情勢が悪くない、と書くと
違和感を感じる方も多いかも知れません。
「どこが悪くないんですか?」
「ロクな仕事ないんですけど?」
そう思われても不思議ではありません。
しかし、有効求人倍率や就業者数を見る限り、
雇用情勢は数字の上では改善しています。
失業率は3%と、
20年ぶりの少ない数字で推移しています。
雇用情勢がいいと実感できないのは、
正社員の募集は相変わらず、
さっぱり増えていないからです。
つまり、企業は長期雇用のリスクを避けて、
契約社員や派遣社員など、
非正規雇用を増やすことで
人手をまかなっています。
非正規雇用だと
給与水準は高いとはいえませんから、
使えるお金も少なく、
景気が悪い、と感じてしまうのです。
ただ、一昔前と違い、
選ばなければ職は見つけやすい、
という状況になっているのは確かです。
ただ、待遇は悪い。
「職の募集が多い」ことと、
「満足いく就職先が多い」ことは、
全く別物であることが分かります。