1.退職理由
会社を辞める理由は
人それぞれです。
そして、その退職する理由によって、
扱いが大きく3つに分かれます。
1.会社都合による退職
例:倒産、解雇、会社による退職勧奨など
2.自己都合による退職
例:他者への転職、独立、体調不良による業務遂行不可能など
3.定年による退職
例:就業規則に規定された定年に年齢が達したことによる退職
さて、退職すると、
今まではほとんど気にする必要もなかった
税金や各種社会保険と向き合わなければなりません。
会社勤めをしているときは
こういった手続きは全て会社の人事や経理の担当者が
代行してくれていました。
しかし、当然のことですが、
会社を辞めた後は誰もそういった手続きを代行してはくれません。
こういった手続きは
全部自分で行っていく必要があるのです。
具体的には、雇用保険、健康保険、年金、税金。
最低減でも、これらの手続きを自分で行わなければなりません。
また、退職した理由によって、
退職後の失業保険の給付条件には大きな差がつきます。
会社都合退職した場合と自己都合で退職した場合とでは、
給付がはじまる時期に3ヶ月のタイムラグがあります。
自己都合退職の場合は、
この3ヶ月は無収入でしのがなければなりません。
また、定年退職の場合、
年金の手続きは、「年金保険料の支払い」ではなく、
もらう立場で考える必要が出てきます。
まだ年金を満額もらえる支給年齢に達していないのであれば、
早期に受給し始めるか、
後から受給を開始して月額を多めにもらうかといった計算もしなくてはなりません。
次回以降、会社を辞めた後に必要になってくる手続きを3つの退職理由別に分類して詳しく見ていきたいと思います。
2.会社都合退職の失業保険
会社の倒産やリストラなど会社都合による退職は、
不意打ち的に来ることが多いです。
そのため狼狽してしまいがちで、
必要な手続きを見落としてしまうことも少なくありません。
しかし、生活防衛の意味でも、
退職手続はしっかり行っておきましょう。
1.雇用保険の手続
退職後に失業保険のお世話になる場合でもならない場合でも、
雇用保険被保険者証を入手する必要があります。
失業保険を受給する場合は受給に必要になりますし、
失業保険をもらわずに再就職する場合は、
再就職先へ提出する必要があるからです。
雇用保険の被保険者番号というのは1名につき1つしか発行されないものですから、
会社を辞めてもずっとつきあっていくことになります。
雇用保険被保険者証について、
もう少し詳しく知りたい方は別項の
を参照されてください。
さて、
ではこの雇用保険被保険者証、
誰が持っているのでしょうか?
これは、会社によりけりです。
入社時に雇用保険の加入手続は必ず行いますが、
その後、社員に渡す場合と、
会社が保管している場合があります。
手渡されていたにも関わらず家で見つからないという場合、
気まずいとは思いますが、
会社の人事担当者に再交付の手続きをお願いする必要があります。
会社を辞めたら無関係、
という書類ではありませんので
「見つからないから要らない」
というわけにはいかないのです。
次に、退職後に会社から受取る離職票の受取時期、
受取方法の確認をしておきましょう
雇用保険法では、
退職後10日以内に離職票を退職者に渡すと決められています。
といってもこの期限を超過する会社は非常に多いです。
しかし、離職票がないと失業保険の受給手続を行うことはできません。
もし10日たっても送られてこない場合、
会社の人事担当者に遠慮なく催促して構いません。
辞めた人間に関する処理は
どうしても優先順位を低く見られがちですので、
うるさく言わないと延々と後回しにされる可能性があります。
離職票が届いたら、
自分が住んでいる住所を管轄するハローワークに出向きましょう。
求職者登録をするためです。
登録から7日の待期期間が終了したら、
指定された日の受給説明会に出席してください。
この説明会では、求職のルール、
失業保険受給のルールなどが説明されます。
求職者登録から4週間後に第1回目の失業認定日が到来します。
指定された日に失業の認定を受けると、
早ければ2日、遅くとも1週間程度で失業保険が指定口座に振り込まれます。
この後は同じサイクルの繰り返しです。
4週間ごとに失業認定を受け、
給付日数が0になるまで失業保険を受給できます。
退職後の翌日からカウントして1年後に受給期間が終了するので、
その時点で仮に失業保険の受給日数が残っていたとしても打ち切られてしまいます
(受給日数330日の人は除く)。
このことを知らずに
退職した後も求職者登録をせずにしばらくダラダラと過ごしてしまい、
本来もらえるはずだった失業保険をもらい損ねた人は多いのです。
求職者登録は、可能な限り早めに行っておきましょう。
3.まとめ
・退職理由には、自己都合退職、会社都合退職、定年退職がある
・それぞれの退職理由により、失業保険の受給条件が異なる
・雇用保険被保険者証がどこにあるかは、退職前に必ず確認しておく
・求職者登録が遅れると、それだけ失業保険をもらうのが遅くなる
・それだけでなく、失業保険の受給資格を失うことすらあるので注意