健康保険 医療費以外の給付

健康保険 医療費以外の給付

 

健康保険に加入しているメリットは、

病院で支払う自己負担が3割で済む・・・

というのが一般的なイメージだと思います。

 

それはそれで正しいのですが、

健康保険にはそれ以外にも、

複数の給付制度があります。

 

該当する人であっても申請しない限りはもらえませんので、

きっちりと制度を把握しておきましょう。

各種給付金
各種給付金をしっかりと利用したいところです

今回は、

傷病手当金、出産育児一時金、出産手当金

について見ていきます。

 

1.傷病手当金

傷病手当金は、

私傷病(業務が原因でないという意味です)で仕事を体み、

給料が出ないときに標準報酬日額の3分の2割にあたる額が

「傷病手当金」として支給される制度です。

 

傷病手当金が支給される条件として、

以下の全てを満たす必要があります

(1)私傷病で療養中である

(2)労務不能である

(3)私傷病のため3日以上連続して休んでいる

(4)休んでいる間は、賃金が出ない

これらの条件を満たしている期間中は、

最長で1年6ヶ月支給されます。

傷病手当金
傷病手当金は労務不能な日数に応じて支払われます

在職中に傷病手当金の受給を開始し、

そのまま職場復帰することなく退職した場合でも、

引き続き傷病手当金の受給を続けることが可能です。

 

支給額について「多すぎる」との批判があり、

制限する動きが出ています。

以前は、

「休む直前の給与」

が基準になっていたのですが、

この基準を悪用して、

「休職直前だけ給与を大幅アップさせる」

という抜け道を利用する会社が続出。

 

現在は、こうした脱法行為を防ぐため、

休職前6ヶ月の給与を基準とし、

その3分の2が支給されます。

 

傷病手当金は、会社の負担ではなく

健康保険から支払われる給付金ですから、

会社が不正に荷担しやすい環境にあった、

といえるでしょう。

経営者
悪い経営者

2.出産育児一時金
出産育児一時金は、

出産に伴って発生する多くの出費を補うための手当です。

支給額は、一律42万円です(一部医療機関を利用した場合39万円)。


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出産育児一時金は、

不幸にして死産や流産となった場合も、

その死産や流産が妊娠85日以上の場合であれば

支給されます。

 

また、支給額は子供1名あたりの金額です。

 

つまり、双子の場合は、84万円支給されます。

 

また、健康保険に1年以上加入した状態で退職し、

さらに退職後6カ月以内に

出産育児一時金の支給対象となった場合は、

退職後であっても支給されます。

 

3.出産手当金

出産手当金は、出産を理由として求職し、

給与が支給されない場合に給付金が支給される制度です。

 

支給される金額は、標準報酬日額の6割相当です。

 

支給対象期間は、

出産日以前42日(双子などの時は98日)、

出産後56日です。

 

しかし、この期間全部で、

給付金が支払われるわけではありません。

 

給付されるのはあくまで、

仕事を休んだ日数分になります。

 

出産手当金のありがたい部分は、

傷病手当金とは異なり、

労務不能状態でなくても支給されるという点です。

 

仕事を休み、

給料が支給されない状態であれば、

労務可能・不能を問わず支給されるのです。

 

傷病手当金と異なり、

診断書を書いてもらうなどの

面倒な手続きは必要ありません。

 

出産育児一時金同様、

健康保険に1年以上加入した状態で退職し、

さらに退職後6カ月以内に

出産育児一時金の支給対象となった場合は、

退職後であっても支給されます。